何とか週一くらいでファミリーナンバーについて書こうとは思っているのですが。
今日は4号族です。
4号族は、出走頭数ベースで1号族に次ぐ勢力でおよそ10%強を占めています
(当研究室2010-11年新馬戦、障害戦を除くレースで集計)。そのため、これまでの
重賞ファミナン傾向でも何頭かは好走しているものの出走頭数が多く率はそれほど
良くない的なコメントが多かったと思います。
重賞の勝ち鞍についてもこれも1号族に次いで2番目に多く、2006-11年ベースで84勝を
挙げています。これは全重賞勝ち鞍の11%強に当たります。
特徴的なのは、牝馬の活躍が目立つことでこの間で32勝を挙げており牝馬の
勝ち鞍としては1号族より多くトップ、また以前にも当ブログで紹介しましたが
重賞勝ちの牝馬占有率38.1%は重賞20勝以上しているファミリーナンバーの中では
地力系の22号族、16号族についで多くなっています。→
牝馬とファミリーナンバーダイワスカーレット、ブルーメンブラットは牡馬混合の重賞でも勝っていますし、
またこの間の牝馬限定GⅠ全てで勝ち馬を輩出しています。
特徴の2番目として、サンデーサイレンスへの依存度が高いことで、84勝中65勝が
父もしくは母父がSS系の馬によるものです。重賞を20勝以上している中では、
重賞勝ちに占めるSS系の割合は、
14号族 85%
16号族 78.9%
4号族 77.4%
19号族 70%
と3番目に多く、14号族はそれほどサンプルは多くないので実質2番目です。
また、このデータを裏付けるように、SS直仔やキレ味あるアグネスタキオン、
フジキセキ産駒が活躍した前半3年(2006-8年)で53勝と半数を超えています。
ダイワメジャー、スカーレット兄妹が活躍したこともありますが少し気になる
データです。
後半3年(2009-11年)ではダートの勝ち鞍が多くなっており、前半で5勝に対し
倍の10勝を挙げています。エスポワールシチーが両ダートGⅠを制するなどの
活躍がありました。他ではサクセスブロッケン、シルクフォーチュン、
キングスエンブレムなどがいます。前3年でも両ダートGⅠを勝った
ヴァーミリアンがいます。
ここまでの内容をまとめると、牝馬の活躍、切れ味タイプのSS系との相性の良さ、
芝重賞勝ち鞍が減少傾向、ダートでの活躍増加傾向と、どうも年々ずぶさを
見せているような気がしてなりません。高柳氏的にはバランス族に属しますが、
片足をじり脚系に突っ込んでいるような感じでしょうか。
4号族に限らず全体的に言えることかもしれませんがSS系種牡馬の瞬発力やそれを引き出す
気性の激しさの遺伝力が徐々に落ちているような気もします。馬場の高速化に対して、
馬が、というよりはジョッキーが対応しきれていないのかもしれませんが。