競走馬にもサプリメントの時代

有馬記念が終わり一息。GⅠシリーズが始まると重賞競走が毎週目白押しなので
なかなか書けませんでしたが、超久々の運動生理学カテゴリネタです。


某ウェブサイトで清水成駿氏のコラムで拝見しましたが、今はサラブレッドにも
サプリメントが与えられている時代のようです。調べるとどうやらアスタキサンチンが
与えられているようです。


リンクにあるJRA競走馬総合研究所のホームページでもアスタキサンチンの効果が
紹介されています。アスタキサンチンは優れた抗酸化作用があり、激しい運動によって
生じた活性酸素を消去し筋肉の損傷を防ぐそうです。「こずみ」、「すくみ」の
予防効果があり、運動機能の改善にも効果があることが紹介されています。詳細は
同HPをご覧ください。HPのトップで「アスタキサンチン」で検索すればひっかかります。


アスタキサンチンは魚のサケや甲殻類に含まれる赤色の色素成分でカロテノイドの一種です。
サケの肉色はピンク色ですが、これは元々白色の筋肉(いわゆる速筋型の白筋)に色素が
入ってあのような色味になっています。


ご存知のようにサケは産卵期になると生まれた川に遡上します。川の流れに逆らって
上流を目指すわけですから非常に激しい運動です。しかも、マグロのような持久力ある
赤筋ではなく速筋型の疲れやすい白筋でこの運動をするわけです。
この運動に耐えられるようにアスタキサンチンを蓄えているのだと思います。


サケは自分でこの色素を合成できるわけではなく、オキアミなどのエサから摂取しています。
好んでこういったエサを摂取しているのでしょう。自然界はよく出来ています。


アスタキサンチンを与えることで、強い調教に耐えられる、レースでの消耗も抑えられる
ことが想像できます。結果として獲得賞金も増えていきそうです。当然コストがかかるわけで、
成績上位の生産牧場、厩舎では回収できるのでしょうが、下位の厩舎ではそこまでの
投資ができないことがあるようです(小宮城氏のオーナーサイダーのブログを拝見していると
たまにこういった記載が見受けられます)。勝ち組、負け組の差が広がっていきそうです。


アスタキサンチンはヒト用のサプリメントや化粧品も出ています。美白、美肌効果を
謳っているようです、アスタ○○○という商品名で某有名女性歌手を起用したCMで
ご存知の方も多いでしょう。恐らくヒトに対しても筋損傷の軽減は期待できるのでは。
東京マラソンに向けて今から仕込んでおくのもいいかも知れません。
ただ、どのくらい摂取すれば効果があるのかはよく知りませんが・・・。


別に宣伝をしているわけではなく、お金をもらっているわけでも全然ありません(笑)。
あくまでもネタの一つとして書いただけです、念のため。購入は馬券と同じく自己責任で。



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オルフェーヴルの走りはディープインパクトを超えたか?

JRA総合研究所のホームページをしばらく訪問していませんでしたが、
いろいろ更新されてました。


その中でオルフェーヴルの走りとディープインパクトを比較したデータが
掲載されています。今年の2月に更新されてました。


ご興味のある方はこちらをご覧ください。
JRA競走馬総合研究所
トップページのMenu:最新馬科学情報:トッピクスに三冠馬オルフェーヴル号の
走り方という記事があります。


この他、トップページ中央のおススメコーナーのコラムも内容盛り沢山で
読み応えがあります。


競走馬と乳酸輸送担体(MCT)

昨日の続きです。サラブレッドを用いたMCTについての実験を紹介します。


一応今回の記事で運動生理学カテゴリ記事としてはひと段落と考えています。
現時点でご紹介したい内容は書ききることになります。新しい知見があったら
都度書きたいとは思いますが。

乳酸の再利用

関塚ジャパンは惜しくもメキシコに1-3で敗れて決勝進出ならず。
さすがに疲れがあったのかプレスをかけて高い位置でボールを奪っての
攻撃が出来ず、相手の個人技にもやられました。何とか日韓戦を制して
メダルを取って欲しいですね。


怪我の永井選手も酸素カプセル等で回復を図って出場。酸素カプセルは
現日ハムの斎藤佑樹投手が甲子園決勝再試合前に使って有名になりましたが
科学的な裏付けは?なところがあるよう。よくプロ野球の投手が降板後に
肩をアイシングしている光景がみられますが、あの効果についても賛否が
あるようで、運動生理学はまだまだ未開な部分が多いのです。


さて、前回の運動生理学カテゴリ記事では乳酸は疲労物質ではなく、
エネルギーとなる中間物質であることを書きました。今日はその先について。


疲労物質は何なのか

前回の続きです。マラソン終盤と中距離走での疲労はメカニズムが異なっています。


まずはマラソンから。


マラソン終盤での疲労は、単純にエネルギー源の枯渇によることが主要要因です。
筋肉中のグリコーゲンが多い方がその分単純にバテにくいことになります。


よくマラソン選手はレースの数日前から炭水化物中心の食事に切り替えて、
筋肉中のグリコーゲンを増やすようなことをするようです。日本人選手だと
おもちを食べたりするようですね。


今年はオリンピックがありますがそのマラソンの選考会では、市民ランナーの
星、川内選手がスペシャルドリンクを取れないという痛恨のミスを犯して
レースには敗れています。スペシャルドリンク中にはエネルギー源である糖質は
普通入っているでしょうから、これを複数回にわたって取れなかったのは致命的
でした。


マラソンは有酸素運動が主体となるのでそもそも乳酸は中距離走ほど生じません。
また終盤ではエネルギーが枯渇しているので、グリコーゲン自体が少ない
のですからグリコーゲンの分解産物である乳酸も生じず、終盤の方が却って
血中乳酸濃度が低くなります。乳酸が生じないほど疲労しているわけです。

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